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ヴォイシング Vol.3 〜音を省こう〜

執筆者の写真: 光司 戒能光司 戒能

今回はほんの小さな工夫を施してヴォイシング練習をしてみましょう。


その工夫はとっても簡単


音を省くだけ


自分が知っている(弾ける)ヴォイシングから

音を省いてみようという試みです。


省くことで構成音の機能や動き方など

様々なものが見えやすくなります。


実際に見て弾いてみた方が早いので

早速やってみましょう。



〜5度を省こう〜

前回ご紹介した皆さんがよく弾いたことのある

ヴォイシングで試してみましょう。


Key=C Major


CΔ7-Am7-Dm7-G7


ⅠΔ7-Ⅵm7-Ⅱm7-Ⅴ7


という進行でやってみます。


・8小節「5度ありヴォイシング」

・その後「5度なしヴォイイング」


で演奏します。


3パターン弾いてみました。



・Ver.1



・Ver.2



・Ver.3



1音省いてるだけですが

少し違った印象に感じませんか?


「弾き方を変える」

「どこかの音をオクターブ上げる」

「どこかの音をオクターブ下げる」


などなど、練習の可能性は無限大です。



今回特に注目して頂きたいのは


Ⅱm7-Ⅴ7-ⅠΔ7

ツーファイヴワンの部分です。



・Ⅱm7-Ⅴ7において


「Ⅱm7」の7度は半音下がり

「Ⅴ7」の3度になる。


「Ⅱm7」の3度は移動せず

「Ⅴ7」の7度になる。


・Ⅴ7-ⅠΔ7において


「Ⅴ7」の7度は半音下がり

「ⅠΔ7」の3度になる。


「Ⅴ7」の3度は移動せず

「ⅠΔ7」の7度になる。



音を省いた分このような変化が

よく見えてくるので楽しいですよね。


色んな進行で色んな変化に目を向けてみて下さい。



・何故5度を省くの?


以前少しお話したのですが

3度や7度はコードの明暗を左右しますが

5度にはそのような機能はありません。


故に、省いてしまっても

コードのメジャー感やマイナー感が消えるわけではないですし

コード感という観点では、さほど影響はないです。


じゃあ省いちゃお。

という結論です。


ハービー・ハンコック氏が


1度と5度に焦点を当てて展開していく


みたいな解説動画があるのですが

今回とは少し焦点が違うので置いておきます。

最後にその動画をのせておきます。

是非ご覧になって下さい。

とても勉強になります。



〜ルートを省こう〜

次はRを省いてみましょう。




ここでも音の変化に注目して頂きたいです。

次のコードへ移る時に


「移動しない音」


があるのが分かると思います。


僕は普段この「移動しない音」を逆手にとって(?)

ヴォイシング練習を組み立てたりします。


例えば


「ずっとどこか1音固定する」

「外声は固定して内声だけ動かす」


などの練習です。

これがまためちゃくちゃ楽しいんです。


頭も使うし集中力も必要だし

より音に没頭できます。



〜おわりに〜

今回は以上になります。


ギターは同時に6音まで出せます。

色んな音が出せますが

出せるが故に、音がぶつかる事も多いです。


特にピアニストもいるアンサンブルだと

かなり神経を使います。


アンサンブル中に自分が弾けるヴォイシングを

淡々と弾いていてもぶつかりまくるだけです。


自分以外の音にも集中して

音を厳選して出しましょう。


今回の「省く」という練習は

そういうところから生まれました。


これらを参考に

ご自身で色んな練習法を確立させてみて下さい。


自分で確立した練習はいつか必ず

自分の音楽の芯となります。


ありがとうございました。



メンバーシップ・レッスン募集中です。


興味あれば、是非よろしくお願い致します。

ありがとうございました。


メンバーシップ:Plans & Prising

レッスン詳細:LESSON

お問い合わせ:info@koji-kaino.com







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